日光修験道 夏峯 第10回です。 今回は赤沼から西ノ湖~前宿坊堂山~宿坊堂山~錫ヶ岳~白檜岳~白根隠山~前白根山~五色山~金精山 そして金精峠に降りて赤沼駐車場に戻るコースです。 ちなみにこちらが前回(第9回) ↓

(9)2022.05.29 日光修験道 夏峯 第9回 中禅寺湖から宿坊堂山取り付き地点まで | 空と星と山と (acchidayo.com)

日光連山の最奥地をぐるりと廻る この修験道でも最も厳しい箇所のようです。 今回は1日では周回できないのでテント担いで一泊二日とした。

赤沼駐車場に車を置いて 低公害バスに乗車。 この時期だけ朝4時出発。 男体山から昇る朝日が千手ヶ浜からみられる由。

出発!

西ノ湖 バス停で下車。 もちろん、ここで下車したのは私一人。 千手ヶ浜まで行く方 4-5人いた。 ここでまず朝食を取る。

朝のひんやりとした空気が気持ちいい。

この雰囲気を楽しむ ・・・ ただ、クマさんの生息エリアなので視線は常に ウロウロ!!

柳沢川にかかる吊り橋に到着。

西ノ湖から黒檜方面を眺める。 随分水が少なくなってきている。 雪解け水が減ったせいだろう。

乗り越える。

ぶら下がってみたい。 (^^)

また破損が酷くなっているような。 誰だ 壊したのは?

 

水が流れていない! 伏流しているよう。

日光マーク出現。

進んでいると水の音が聞こえてくる。 300mほど進むとこんなに沢山の水が流れている。

カクレ滝方向との分岐点。 ヤジノ沢には水なし。

「行者ノ宿」地点。 再訪。

背後にそびえる垂直の岩稜帯。

前回下見をしたのだが、今回はそれよりも手前で前宿坊堂山の尾根に取り付く。                 これは 果的には大失敗!!

取り付き地点。 今、ココ。

二本足で歩いていたのは最初だけ。 後はストック仕舞って四つんばいで歩く。

写真で見るより急登。 立木、木の根を掴んでよじ登る。 急なのでトラバースもつらい。 テント装備もあって身体が後ろに引っ張られるので 一向に前に進まない。

・・・ とやっていたら大岩。 うーん、と唸る。 あの岩稜帯はこの辺りから始まるんだな~とやっと今頃、理解した。 時既に遅し!!

何とか突破すべく 前進中。  写真撮るくらいだから余裕 ・・・ 気持ちを落ち着かせるために写真撮っていた。

倒木の下を腹ばいになって潜る ・・・ ザックが引っかかる。 テント担いでいるのでいつもより嵩張る。

やっと稜線に辿り着く。 ホッと。 !(^^)! 今日は宿坊堂山まで行って下山しようかな~ と弱気になる。

今度は石楠花の藪。 進む。

藪突破。

右手に宿坊堂山が見えた。

安心できるエリア。

人ではない。 たぶん、シカが歩いた跡。

ヌタ場。

足にゴトッと何か当たったので、見てみたらこのペットボトルだった。 藪漕ぎで濡れてきた。

右手に宿堂坊山、ちょっとは近づいたのかな。

笹が出て来た。  初め、ちょろちょろ。

・・・ 中 パッパ!!

両手でかき分ける。 前も後ろも見えない。 既に朝露で 全身 濡れネズミ。 (^_^;)

頑張る。

やっと、栃木・群馬 国境稜線に出た。

この登山道がハイウェーに見えた。

ここから出て来た!!

今、ココ。 取り付きから既に3時間以上が経過。 単純に宿坊堂山を登った方が早かったのではないかと思うがともかく最初の取り付き地点が早すぎて失敗!!  修験者 恐るべし と思った。

進む。  男体山・中禅寺湖・西ノ湖が直線で見える場所を発見。 多分、ここだけだよな~

 

トコトコ歩いて 宿坊堂山に到着。 まだ頑張れそうなので先に進むことにする。

こりゃ、ガス管かい?

山頂の様子。 もちろん、誰もいない。

賑やかな山名版

アップで。

御料局三等三角点。

山頂に埋められた安山岩質の石躰。 これが500年以上の時を経たものだろう。

こっちも、パチリ。

やっとココ。

山頂から北に降りれば開けた場所がある。 そして前方に金剛堂が目に入る。

ここが男嶽之宿があった地。 修験道者一行はここに4泊したらしい。

切妻形の金剛堂。 苔の風格が何とも言えない。 

水場のマーク。

ネギト沢の源頭。 約5分ほど下る。 500mlボトル30秒ぐらい。

今、ココ。

先に進む。 休憩して少し気合いが戻ってきた。

うぬ、まだ新しい。 まあ~いるだろう。

倒れたマーク。

よく見ると道しるべが見つかる。

ここも。

錫ヶ岳に向かって トコトコ!

これは 何に見えるかな~  バッタか? ・・・ そんな事を考えられる余裕があった頃。

標石 ・・・ 掘り出してみる余裕はナシ。

色んなマーク

マークチェックは それはそれで楽しい。  愛されている道なんだろう。

ここにも。

樹林帯をひたすら歩く ・・・ 障害物競走 ・・・  家に戻ってみたら脛に幾つもの赤いアザがあった。

落とし物。

ここもか ~ 宿堂坊山~錫ヶ岳の区間はともかく多かった。 10数箇所。 錫ヶ岳を越えたらパッタリと無くなった。 もしかして、クマの後を追いかけているのではなかろうかと ・・・ 妙な錯覚を覚える。

ピークポイント。 群馬側に延びる尾根がある。 いざという時にはテント張れる。

今、ココ。

これは、珍しい。 元は何だろう?

踏み跡があるような、ないような  ・・・ 進む。

こういう開けた所は方向がサッパリ!?  きっとこっちだろう。

合っていたよう。

開けた場所に出た。

中禅寺湖! 雲が出てきた。

トコトコ!

おっ! 男体山と中禅寺湖。 

石柱あり。

ぽっかりと開いた空間、 休憩中。 

休憩ポイントから群馬側の深い森を望む。 

錫ヶ岳方面を眺めるがガスで見えない。

P2077。

P2077にあった残置物。 ここから東に延びる尾根がある。 最後のエスケープポイント。 ここを過ぎればもう錫ヶ岳を越えるしかない。  ・・・ 気合いを入れて・行けそうなので進む事にする。 水はネギト沢源頭で汲んだ1.5Lがあるのでいざとなればどこでもビバーク可能。

今、ココ。

これは爪だろうが、歯だろうか。 どっちでも痛いだろうな~

何故かマーク密集。

コルに向けて下っている。

「錫の宿」と推定される場所に到着。

宿を用意できる充分な広さがある。

今、ココ。

錫ヶ岳へ進む。

明瞭な道。 ホッと。

石柱あり。

と思ったらまた出て来た 藪!!

前進する。 濡れる。 どこでも歩けるが何処を歩いているのかよく分からない。 ザックが重たいなあ~

取り敢えず ルートは合っているみたい。

この方向に進む。

錫ヶ岳に至る最後のコルに到着。 もう一踏ん張り!!

ここを登ったら錫ヶ岳山頂のはず。 高度差150mぐらいか。

踏み跡 ・・・・ どこ???  ・・・ そんなの見つからない ・・・ 進む。

両手でかき分け ・・・ かき分け・・・ 疲れたな~

飽きたので、後ろを振り返る (^^;)  もちろん誰もいないんだけど。 クマもいないし。

水溜まりがあった。 カエルも ・・・ いなかった。

やっと ・・・ 山頂到着。 錫ヶ岳 2388m  ・・・やはり、誰とも会わなかった。

まあ~ ここまで来れば  安全地帯圏 !(^^)! 白根山側から登ってくる山者もいるので何とかなる。

国土地理院三角点。

こちらは、御料局三角点 ・・・ 微妙にと言うか数メートル場所が違う。 (^^;)

御料局三角点の上にあった山名版。

これが見たかった!!  これを作った人のこの山域に対する愛情が伝わってくる。

見慣れた山名板。

白根山方向に進む。

先に進むと見晴らしの良い場所があった。 中禅寺湖のブルー そして男体山は ・・・ ガスの中。

視線を左に移して・・・戦場ヶ原。

池が二つ。 

右の池。

左の池 ・・・ サンショウウオがいるのだろうか。

中央上に建物が見えた。 あれは何だろう?

何となく登山道。 ガリガリ ・・ また濡れた。

日光白根山方面 ・・・ 見えぬ。

また登る。

いい加減 疲れたので 空を見上げた。

男体山が木の間からチラリ。 

やっと、今夜のお宿に到着。 小池の宿 推定地。 テント2-3張りなら大丈夫。 今宵は私一人だけだった。 ここまでざっと11時間半。

今、ココ。

水場あり。

水場マーク。

こっちも。  皆よく作るよな~  有り難い。 (^^)

少し下って 500mlボトル 10秒 !!

陽が沈む。

ここでケータイを見たらアンテナが立っていることに気づく。 3Gが入って音声通信が可能だった。 

いい雰囲気。 小鳥のさえずりが聞こえる。 

腹減った。  

小鳥が鳴くので雨は降っていないみたい。 ぐっすり寝た!  さあ~ 朝だ~ 歩くぞ~ でもやっぱり藪からスタート (^^;)  とは言え、これまでの藪から比べたら 楽チン。

快適 ・・・ トコトコ!

でもお天気は 残念。 ガスって見えない。 栃木で一番美しいと言われるスカイラインのはずなのに。

何となく 踏み跡。

どんな鳥だろうか。

突入。 また濡れた。

ルートはちゃんと合っている。

登山道。

栃木県側より群馬県側の方が歩きやすい。

ガスっているけど ・・・ 大丈夫。

新しいマーク。  空き缶の蓋?

見えぬ。 でも、たぶん、こっちの方向、のハズ!!

踏み跡 発見。

小池あり。 「治田の宿」(ぬたのしゅく)推定値と思われる。  これを飲むの?

かき分ける ! ザワザワ。

登山道。

白檜岳 山頂付近。

今、ココ。

ガスが去ってくれたらなあ~ 

これを追っては行けない ヨ。  下っているようで楽そうだけど これはシカ道!!

どっちだ?  それにしてもしっかりした地図もなく、もちろんGPSもない時代にどうやって正確に歩けたのだろうか。 500年も前に。 実に不思議だ。 修験者の位置情報能力は凄まじい。

なんか久しぶりに目にした花。 しばし見とれる。 ほっこり (^^)

ウスユキソウ

ついに、白根隠山に到着。 ここは絶景が楽しめる場所なんだけど ・・・ どっちを向いても真っ白 (^^;)

それでも進む。

この景色はそれはそれで 風情がある。

石楠花。

下るぞ。

おっ、ガスが取れてきた  ・・・ これから歩く稜線が視界に・・・  !(^^)!

クルマユリ

途中ですれ違った3人。 これから錫ヶ岳へ。

白根山が見えた!!  でもまだ山頂が隠れている。

残雪。

ハクサンフウロ

小さなケルンあり。

五色沼ブルー

前白根に向かう。

ここは とてもほっこりした登山道。 1日目を歩くとこんな道の優しさがよく分かる。

白根山山頂が見えた!

コマクサ まだ咲いてたのかえ~

変化する五色沼ブルー

前白根山 山頂。

どーんと。

風雪に耐えて。  ここに来る度に、挨拶するのだけど ・・・ また来ます !!

しつこく 五色沼ブルー

湯元温泉と湯ノ湖

 

温泉ヶ岳と根名草山かな。

五色山山頂。

今、ココ。

三角点。

石楠花街道。

国境平に到着。  湯元温泉方向へ下りたい誘惑に一瞬かられる。

この手前で年配の男性に声をかけられた。 「どこから来たの? 錫ヶ岳から! あそこは栃木の百名山なんで私も行きたいのだけどね~ そうテント場があるのかい? ガイドさん雇って行こうかな~」 御年78歳という事であった。

御料局三角点

進む。

金精峠方面の崩落地。

えーと、この花 何だっけ?   ・・・ そうだ、ベニサラサドウダン!

金精山が見えてきた。

山頂到着。

金精山 2244m

湯ノ湖・湯元温泉を眺めて ・・・ 休憩。

金精峠を目指して下る。

えっと この花は ・・・・ 分からん!

ここの下りは意外と悪かった。

ロープ、階段が幾つもあった。

温泉ヶ岳と根名草山。

そうだったのか~ もう終ったけど。

金精神社到着。

中を拝見。

お気に入りの景色。

温泉ヶ岳方面。

左は菅沼へ

最後にもう一度 パチリ。

最後の下り。

はい、また来ます!!

ここはだんだん酷くなって来ている気がする。

見上げるとこんな様子。 大雨、降雪 ・・・ 崩落が進んでそのうち通れなくなるのでは。

覚悟して渡れ!

ちょっと以前のルートを見てきた。 崩落が進むとこうなるんだろう。

やっと到着。

金精峠の駐車場は車でいっぱい。

登山口。

関越交通のバスが停車するようになった。

お待たせ。 二晩、ここで過ごさせてしまった。  筋斗雲二号!!                    さあ~ 赤沼駐車場まで飛んでけ~

 

一泊二日の修験道歩き。 とても勉強になった。

また来よう!!