明治の頃、栃木及び福島県令であった三島通庸が議会の反対を押し切り主導した塩原から桃ノ木峠を越えて山王峠へと繫がる道、通称「三島街道」を歩いて来ました。 明治17年10月に開通式が行われるも翌年7月には廃道が決定したようです。 わずか9ヶ月という短い期間です。 道はそのまま取り壊される事はなく放置されたので利用することは可能だったのでしょうが、冬場は降雪の為通行は難しく、また幾つもの沢筋があり維持管理の為の修理が必須な場所でもあったので廃道決定後はこうした作業が行われなくなったという事を考えると実際に人々の往来に使われていたのはかなり短い期間だったのではなかろうかと推察します。
さて、今回歩いたルートはこちらになります。 ↓
三島通庸(みしまみちつね)について、ウィキペディアより ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%B3%B6%E9%80%9A%E5%BA%B8
既に解散されたようですが、「三島街道を復元する会」というのがあったようです。 桃ノ木峠からワイルドフィールズおじかへの道程でその痕跡を目にしました。
そして、こちらが三島街道の全体図です。 上述の三島街道を復元する会が作成されたものです。 今回歩いたのは中のおよそ2/3ぐらいの距離かと思います。 (歩いた時はこのルート図を確認しておらず、帰宅後どの部分を歩いたかが分かった次第 (^_^;)
さて、前置きが長くなってしまいましたが・・・塩原側のここからスタートです。
(※ 今日は栃木のTさんと二人なので一台の車をゴール地点に先に置いてあります。)
ウトウ沢林道(国有林)を歩きます。 ウトウとは善知鳥と書きます。 鳥の名前のようで漢字検定にも出題されるみたいです。 伝承では子どもを奪われると親が「ウトウ」と鳴きこれに対して子が「ヤスカタ」と鳴き返します。
水道設備でしょうか。
進みます。
タヌキかな?
林道は先に延びていますがここで沢に下ります。
水道設備かな。
渡渉します。 この先は沢は次第に深くなり渓谷のような感じになるので渡渉する箇所は限られてきます。
道型らしきものあり進みます。
残置ワイヤーあり。
岩と合体した感あり。
道は消えてなくなりました。 たぶん、伐採用の道だったのでしょう。
ブナを見上げて。 この後、左から流れ込んで来る沢に進路を塞がれいったんウトウ沢に降り尾根筋を登り返します。
汗かきながら尾根筋を登って行くとやっと「三島街道」に遭遇!! (^^)
反対側を覗くとこんな感じで古道が残っています。 次回の宿題です。 左の沢側を見ると植林がなされているようなので道がどこまで残っているのか、ちょっと心配です。
まずは、桃ノ木峠を目指して進みます。
新緑とはまだ言えない・・・芽吹いたという感じです ・・・ でもとても素敵!!
この岩も当時人力で削ったのでしょうか。
道型ははっきりとはしませんが沢筋を大きくカーブして右へ延びています。 もしかしたら橋がかかっていたのかも知れません。
倒木あり。
念のためチェーンスパイクを装着します。
桃ノ木峠が視界に入りました!! V字型に窪んだ所です。
大きな石が道を塞いでいます。
前方に今回の一番の目的「てんしの沢の石積み」が見えて来ました。
建設以来既に140年が経ち、補修されることもないのに、これほど見事な姿で残っている。 工事に携わった方々の技術力の高さを感じます。
反対側からもパチリ。
桃ノ木峠がだんだん近くになって来た。
ここが崩落箇所。 左上からの水で道が流されたようです。
いったん、沢に下ります ・・・ と言ってもかなり急斜面。 慎重に下ります。
下から見上げるとこんな感じ。
崩落箇所。
よく見たら斜面を下った手前にも石積みが残っていました。
先に進みます。 Tさんが歩いている場所は平らな台地になっている様子。 工事には飯場として使われていたのでしょうか。
すぐ近くに沢があります。 水の取得も可能だったと思われます。
飯場と覚しき場所です。
先に進みます。 広くなっている場所に出ます。
ここから撮影した一枚。 左が歩いた来た道、 右がこれからの道。 ここでUターンしているのが分かります。
Uターン箇所です。
上から下の道を眺めます。
先に進みます。
桃ノ木峠はもうすぐ。 緑の草が人があるいたように見えるのはおそらく「シカさん」たちが往来しているからでしょう。 もしかして、クマも (^_^;)
桃ノ木峠に到着です。
誰が作ったのは不明ですが ・・・「桃ノ木峠」 地面に落ちていたのをTさんが見つけてこの木に括り付けました。
お昼タイム。 かあちゃんが作ったしそおにぎりでランチ。
お腹も満たされたので先に進みます。
二回目のUターンポイント。
今、ここです!
沢筋はどうしても道が荒れています。
クマさんか!!
おそらく、「三島街道を復元する会」の補修痕です。
倒木有り。
道は真っ直ぐ延びているのですが・・・荒れています。
下に道が見えます。 もうすぐUターンポイントかな~?
・・・と思っていたらUターンポイントが現れます。
今日、3回目のUターンポイント。 もう1回あるみたいです。
黒いケーブルがありました。 何だろう?
ビニールが巻き付けられています。 シカ対策でしょう。 こうしておくと樹皮を食べられないようです。
補修痕。
石積みの跡。 こちらは140年前のものか・・・
他の方のブログでも見かけた補修です。 かなり古くなっていたので山際を歩きました。
進みます。
ちょっと振り返って。
巨木の倒木あり。 人の高さを比べるとその大きさが分かります。
最後のUターンポイント。 (4回目) 左下方向に進みます。
ここです!
この階段を下ると作業道に降り立ちます。
作業道との合流ポイント。
ここがまた崩落していますが左方向に進みます。 特に問題ない場所でした。
ここはそれほど昔のものではないのでしょうが・・・水の強さは凄まじいものです。
もう安全地帯なのでのんびり ・・・ トコトコ。
あの「カンセキ」が所有しているようです。 栃木でカンセキは有名です!!
男鹿山林道というらしい。
山火事用心!!
男鹿川を渡ります。
男鹿橋。
ちょっと振り返って。
今日のゴール、グリーンフィールズおじかに到着して今日の山行は終了です。
https://www.wf-ojika.jp/
当時は、人だけでなく、馬が引く馬車が通行しました。 その為、極めて緩やかに道を建設する必要があったようです。 桃ノ木峠の標高が1200m。 グリーンフィールズおじかのそれは820m。 10KM歩いて380m程を下る、そんな感じでしょうか。
歩いている最中人の跡、例えば、地蔵とか石祠とか探してみましたがそのようなものは一切ありませんでした。 ゴミ缶一つさえも!! まるでタイムトリップしたような印象でした。
また機会があれば歩いてみよう!!